寄付金の活用報告

患者さんや卒業生、また在校生の保護者の方々をはじめ、当法人に多くの皆様方よりご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
寄付者の方々それぞれの思いが込められたご寄付金。そのお気持ちを受け止め、最適な寄付金の活用方法を法人全体で検討し、おかげさまで、大学・病院ともに、学習環境や施設・設備の改修、研究や教育支援等に、より一層の充実を図ることができました。
感謝の気持ちを込めて、寄付金を活用させていただいた事業について報告申し上げます。

活用報告

【施設・設備】 病院本館6階 屋上庭園の改修工事費用の一部に寄付金が活用されました。

屋上庭園の改修工事が終了しました。現在は、ご入院中の患者さんのリハビリやリフレッシュの場として、また、お見舞いにお越しになられた方々や職員の休憩の場等、様々な目的で活用されています。
改修にあたっては、車椅子やバギーで庭園を訪れる方々がスムーズに出入りすることが出来るよう、寄付金を活用して出入口には自動ドアを設置し、庭園内には手すりやベンチの設置等、設備の充実を図ることが出来ました。

屋上庭園
出入口
自動ドア

【高額医療機器】人工透析用電解水装置を購入しました

国内の透析患者は増加しており32万人を超えています。当院では現在140名を超える透析患者さんの治療にあたっています。40名が在宅治療である腹膜透析、そして100名の方が血液透析を受けています。血液透析は週3回来院し、1回につき4~5時間の治療を行うものです。血液透析は世界的に確立されている治療法ですが、治療に伴う体への負担など(疲労感、掻痒感、筋肉の攣り)未解決の問題があります。このため、患者さんによっては、透析治療を行った日は活力が落ちて、活動量が減ってしまう方もいらっしゃいます。電解水を用いた血液透析システム(微量の水素H2が透析液に含有されています)は、これらを解決するために大学(東北大学)・企業の共同研究により開発されたものです。現在、国内での普及がすすみ(本年6月27日施設、透析台700床)、透析治療に伴う疲労感の軽減など、患者さんの生活の質向上に役立っています。

プレスリリース
透析患者の社会復帰への貢献に期待!電解水透析で重度の透析関連疲労感をほぼ消失
透析関連疲労の原因酸化ストレスを低減 - 電解水透析による疲労抑制のメカニズムを解明 -

当院では、2020年秋から本システムによる治療を行っています。
本治療による患者さんの酸化ストレス(*)が軽減されることが明らかにされました。

*酸化ストレスとは生活酸素による体への障害のことで、これが様々な病気の発症や老化に関わることが分かっています。

また、本装置の設置にあたり、床の補強工事にも寄付金を使わせていただきました。

腎臓内科部長 中山昌明

【施設・設備】トイスラー記念ホールの椅子を入れ替えました

トイスラー記念ホールは、毎朝の礼拝をはじめ、コンサートや市民向けの健康講座・職員による勉強会・患者様やご家族の皆様の祈りの場として使用しています。解放時には、ご自由にお入りいただくことが可能です。

【施設・設備】図書館の椅子を入れ替えました

2018年度に大学本館 図書館の改修を行い、寄付金にて2階閲覧室の椅子を張り替えることが出来ました。おかげさまで、皆様のご支援により、学びの環境・設備の充実を図ることが出来ました。

【学術・教育】電子ジャーナルを購入しました

電子ジャーナルとは、紙媒体の学術雑誌をパソコンの画面を通して閲覧する電子化された雑誌です。中でも、保険医療関連の雑誌(ジャーナル)は総じてとても高価です。特に最近は海外を中心に電子ジャーナルの発行が主流になっており、数も多く、使い勝手も良いのですが、反面、価格が上昇しているため、各大学とも質・量の維持に大変苦労していると話題になっています。このような中、本学では電子ジャーナルの購入に寄付金を活用することにより、質・量の維持を図ることが出来、充実した教育・研究の環境維持に欠かせないものとなっています。

【学術・教育】シミュレーションセンターの運営に活用しています。

シミュレーションセンターは、大村進・美枝子記念聖路加臨床学術センター内にあります。実際の病棟や手術室を模した施設となっているため、机上の学びを臨床の現場に繋げる貴重な学びの場となっています。この施設の運営の一部に、日野原ホール椅子募金を活用させていただきました。

【学術・教育】教職員・学生のための研究支援基金を設立しました。

医療や教育の進歩のためには、日々の診療や看護のみならず、継続的な研究活動が必要です。
意欲ある研究者を資金面で支援するために、寄付金を活用して以下の研究支援基金を設立しました。
プログラムごとに学内/院内公募を行い、審査により選ばれた研究課題への助成を行っています。

〇聖路加健康科学研究基金
・赤津慎太郎 若手研究奨励プログラム
・研究実施・継続支援プログラム
〇聖路加愛の乳がん基金 研究助成プログラム

寄付金計数のご報告(~2022年度)

寄付者の皆様の温かいお気持ちがこもったご支援に、心より御礼申し上げます。ご寄付金は、わたくしども学校法人聖路加国際大学が、広く社会に貢献するとともに、医療界の発展に寄与していくことを念頭に、もっとも有効な使途を検討してまいりました。今回ご報告させていただいたものの他、学生への奨学金や、医師・看護師をはじめとした職員への研究費支援等にも活用させていただいております。

これからも、質の高い医療を提供しつつ、医療現場を最大限活用した看護や公衆衛生分野の教育・研究と、医療人の教育をさらに充実していくことを目指してまいります。

今後も、当法人への温かいご支援をお願い申し上げます。

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