受験生におすすめしたいのが、ここ。このガラスコーナーをスマホの待ち受けにすると合格する、という「聖路加伝説」があるんだよ。

彼と知り合ったのは、2年生の2月、実習の時だったかな。ものすごく寒い日だった。
『看護展開論実習』で、ナースに怒られた日だった。いろいろ手間取って、ナースに舌打ちされて、へこんだあ。今ならわかるけれどね。ナースはそのために時間をとられて他の仕事をできなくなったんだなって。
『看護展開論実習』というのは、受け持ち患者さんを担当する実習なの。朝7時半に病棟に出て右往左往しているうちに1日が終わった。もうヘトヘトだった。課題も出て、必死でやっているうちに夜になった。帰る気力もなく、このベンチでうとうとしちゃった。
起きたら、枕元に彼がいて。「そばにいてくれたのね」ってなんだか元気になった。それから親近感が湧いて、今でも図書館に来るとこのベンチ。もとはチャペルの椅子だったらしい。
彼の名前?うーん、ジョンにしようかな。

聖路加でめっちゃお世話になっているのが、図書館のプリンター。聖路加のいいところの一つでもある。使い放題なの。授業でプリントアウトしなければいけない資料がたくさんあるから、無制限にコピーできるのは助かる。どのぐらいコピーが必要かって?今日の1限の資料だけで64ページ分コピーした。だからコロナで大学に入れない時は、大変だった。もう、みんなで拝んじゃう。

全ての机の上に「STOP! アザラシ化」の注意書き。
でも休んじゃう。座り心地がすごくいい椅子なんです。

勉強する時には、ここに来る。ここから病院が見えるの。勉強がんばろうって気になる。このラーニングコモンズができたのは、ちょうど私が入学した頃。それでもはかどらないときはある。3年生の1月末の実習の時だった。慢性期実習。座るとぼーっとしちゃって。それで友達とスマホの交換をした。スマホを持っていると、無意識で見ちゃうでしょ。でも他人のだったら見られないから。コンビニでリポビタンＤを買って、やるぞーって。

疲れた時はここに来て、自分を振り返る。最初は友達に誘われて来た。チャペルアワーに行こうって。毎週水曜日、チャプレンが話をしてくれる時間で、お菓子が出るの。チョコとか、お煎餅とか。シュークリームのような、ちょっといいお菓子が出る時には、学生が大勢くる。最初は私もその口だった。 チャプレンのケビン先生のお祈りの言葉が、深く印象に残っている。 「皆さんがこの大学に入学したのは、神から使命を与えられたから。私たちは人に仕える者である。私たちは愛をもって人と関わる」。その言葉が私の心に深く刺さった。
私は医学部を志望して、2年間浪人した。医学部を目指す受験生たちが、看護学部のことを見下すようにしていたのを間近に見ていた。それに反論したこともなかった。
受験勉強の最中、日野原先生の本と出会い、聖路加を初めて知った。大学のことを調べていくうちに、聖路加でなら新しい生き方を模索できる気になっていった。お祈りの言葉が心に残ったのは、受験に破れてたどり着いた先ではあるけれど、自分が聖路加にきた意味があると信じたかったからかもしれない。
聖路加で学べてよかった。たくさんの出会いに恵まれた。チャペルに来るたびに、自分がここに来た意味を考えている。

1年の時からずっとここを使っている。必修が多い時期で、同じ学年の人たちはみんな 3階のラウンジで勉強していた。ここには誰もいなくて、私だけ。吹き抜けで、外も見えるこの空間が自分に戻れる場所だった。
私はルカが第一志望でなかったこともあって勉強に身が入らなかった。いつも斜に構えていた。ここでひとりで自分の勉強をしたり、私はK-popが好きで、NCTが好きで、 ミュージックビデオも見ていた。Wi-Fi入っているから、ここは。大学を受け直すことも考えながら、座っていた。そんな状況だから、2年生の実技でめっちゃ叱られた。できなくて当然で、勝手にふてくされている自分が悔しくなった。そこから変わった。この大学できっちり勉強して、卒業して、それでも違っていたら別の道を選ぼう、まず目の前の課題をやるって。

テスト前は、ここに集まる。みんなで助け合って乗り切るんだ。